CO-(コー)さんとゆるやかに開催するポップアップショップは今回で6回目になります。
はじまりは12年前。仕立てた服に合わせるボタンを探していたわたしが、ボタン専門店「CO-」を見つけたことでした。個性豊かなボタンをひとつひとつ丁寧に紹介されている姿に惹かれ、イベントへお誘いをしてから、気づけばもう12年が経ちます。
かわいくておもしろいボタンたちに魅了され、回を重ねるごとに、「このイベントならではの特別なボタンの楽しみ方ができたらいいな」と思うようになっていました。
そんな中、店主の小坂さんから「鼓(つづみ)ボタン」はどうでしょうとお話をいただきました。「CO-のヴィンテージボタンをお洋服のボタンにできるなんて!」と、そのアイデアに心が躍りました。
これまでもリング、ブローチ、ピアスなどさまざまな方法でボタンを楽しむ提案をされている小坂さんに、鼓ボタンについて詳しくお伺いしました。
― 「鼓ボタン」とは、どのようなものなのでしょうか?
小坂さん(以下K):「鼓ボタンとは、2つのボタンを背中合わせに短い糸足(いとあし)で繋いで、和楽器の『鼓』のような形にしたボタンのことです。カフスボタンとして使われることが多いのですが、実はヴィンテージやアンティークのボタンにこそ、ぜひ取り入れたい使い方なんですよ」

△糸足で2つのボタンを繋いだ「 鼓ボタン」
K:「アンティークやヴィンテージのボタンを鼓ボタンにして、お洋服のボタンホールを重ねるように2つあければ、ブローチ感覚でボタンそのものを主役にして楽しむことができます」
リネンバード(以下L):ボタンホールに通すだけなんですね! これならいつもの服を着る感覚で、お気に入りのヴィンテージボタンを気軽にコーディネートに組み込めそうです。

△ 実際にボタンホールに通したところ
K:「取り外しが簡単なので、その日の気分でボタンを着せ替えたり、お洗濯やクリーニングの際に大切なボタンをダメージから守ることもできます」
L:針と糸で縫い付けていないからこそ、お家で洗濯するときは外しておける。お気に入りのボタンを長く愛用する上でも、とても安心感がありますね。
― ボタンをお洋服に合わせるとき、小坂さんはどんなことを意識して選んでいますか?
K:「頭で考えるというより、ビビッと来たボタンを生地の上にどんどん置いていきます。そうすると、生地とボタンが引き寄せ合って、『あぁ、もうこれは最高のハーモニーだわ!』ってなる瞬間がやって来るんです」
L:当店でお客さまのセミオーダーの生地選びをお手伝いするときも、生地を広げて体にあてた瞬間、それまでの悩みが嘘のように「あ、この生地だ!」と決まることがあります。あのワクワクする感覚にとても似ている気がしました。
今回、小坂さんがオーダーしたシャツワンピースに選ばれたのは陶器とメタルのボタン。小さくてコロンとした丸みと、優しい色合いが素敵です。

△ 小坂さんが選ばれた、陶器のボタンやメタルボタン
― このボタンを選んだ理由はなんですか
K:「リネンバードさんでこの生地を選んだ時から、直感的に『フランスの可愛い陶器のボタンを合わせたいな』と思っていました。いろんなデザインの陶器ボタンがあるのですが、もうどれもこれも似合って! もちろん鼓ボタンにして、いろいろ取り替えて楽しみたいと思っています」
L:生地はコットンリネンのタイプライターですね。ブルーにグレーを混ぜたようなニュアンスカラーが小坂さんの雰囲気にぴったりで、体に生地を合わせたとき、2人で「これだ!」と盛り上がりました。これなら、何通りもの組み合わせが楽しめそうです。

△ さまざまな種類がある陶器のボタン
■ おすすめの生地をセレクトしていただきました
L:今回小坂さんにヴィンテージボタンを合わせるにあたっておすすめの生地を3種類選んでいただきました。
①コットンリネンタイプライター(サックス)
高密度に織られた生地で、染めムラがあって微妙な表情を楽しめるのが魅力です。
②ポルト(ブラック)
ブラウスやシャツにちょうどいい厚みで、使い込むほどに柔らかさがでてくるリネン。スミクロのようなやさしい色合いです。
③サンガブリエルストライプ
ベルギーLIBECO社の綾織で透け感のない、ほどよい厚みのあるリネンです。通年心地よく着ていただけます。

△ 左からサックス、ポルトブラック、サンガブリエルストライプ
■ ヴィンテージボタンを日常で愛でるヒント
― お気に入りのヴィンテージボタンを、日常に取り入れるためのポイントはありますか?
K:「好きなボタンを一つ手に入れたら、ゴムをとおして髪ゴムにしたり、手帳のバンドに取り付けたり、まずは気軽に使ってみてください。CO-では、ボタンが付け替えられるピンやリング、ピアスなどのパーツもご用意しているので、アクセサリーとしてお使いいただくのもおすすめです。」

△ 髪ゴムにして愛用しています(北浜店スタッフ)
― 最後に、ヴィンテージボタンを長く大切に扱うために、気を付けるべきポイントを教えてください。
K:「ヴィンテージボタンには、ガラスなどの割れやすい素材や、現代のものに比べて色落ちしやすいものもあり、実はお洗濯に向かない素材も少なくありません。
そのため、シャツなどお家で頻繁にお洗濯をするものには耐久性の強いボタンを。ジャケットやコートなど、たまにしかクリーニングに出さないアウターには、思い切って装飾性の高い特別なボタンを、という風に用途に合わせて選ぶのがおすすめです」
「また、クリーニング店に出す時は、ヴィンテージボタンがついていることをお店の方に必ず伝えてくださいね。信頼できるクリーニング屋さんを見つけることも、大切なボタンを守るポイントです」
L:ポップアップの会期中は、小坂さんが選ばれたボタンと生地の組み合わせサンプルの展示や、便利なパーツのご紹介も行っています。お洋服とボタンのコーディネートがもっと楽しくなる「最高のハーモニー」を、ぜひ体感してみてくださいね。


